行燈(あんどん)を作ってみた。

はじめに

 みなさんは行燈というのをご存知でしょうか?

 骨組みに和紙を貼ったのちに、内側に昔は火を、今だと電球などの照明を置く間接照明の一種です。

普及し始めたのは江戸時代ということで、日本ならでは!といったものの一つです。今では主に旅館などに置かれていることが多いです。

 実際に私が作ってみたものが下のようなものです。シンプルな分高級感を出すことができます。

自作の行燈

 実はそれ以外にもカラフルな行燈をつくれるということをご存知でしょうか。有名なものとしては青森のねぶた行燈が有名ですね。

まだ見たことがないのでぜひ行ってみたいですね!

実はいつでも行燈を見ることができる、星野リゾート青森屋 12/31の大晦日に一人で泊まる

ですが!それだけじゃないんです!

 私の地元には全く違うあんどん祭りがあります。それが沼田夜高あんどん祭りというお祭りです。

 このあんどん祭りを潰しあい、ぶっ壊してしまうという祭りで通称:喧嘩あんどんとも言われています。豊穣を願って、あんどんを潰しあう祭りですがそれぞれのあんどんが1~2ヶ月の作成期間のためとても手が込んでいることがわかります!

 詳しく描こうとするととんでもない文字数になるので詳しくは調べてみてもらえると・・・

沼田町役場より:https://www.town.numata.hokkaido.jp/

というわけで伝統的な作り方であんどんを作ってみた。

 ここまでお祭りの紹介しかしてないので、そろそろ本題に。

 本来のシンプルなあんどんではなく、カラフルな間接照明的あんどんの作成を実際にしてみます!

①材料の準備

 材料の準備をしましょう。必要なものは主に、骨組みとなるもの、和紙、ロウ、染料です。

・600mm x 12mm x 12mm x4本 (骨組みとなればどれでも大丈夫です。)

・市販の蝋燭

・和紙

・染料(今回は桂屋ファイングッズさんのものを使用。どれでも大丈夫です。)

・でんぷんのり

最低でもこの上記4つは必要です。そして今回はそれ以外にも

・ブラシ

・固定用ビス

を準備しました!早速作っていきましょう。

②骨組み作成

 木を切るなどして骨組みを作っていきます。今回は600mmのものを買ったため、150mm x 4本を4セット作ることにしました。電動のこを使ってテンポよく切っていきます!

分断作業中・・・

 そして切ったものをビスを使って組み立てます! 木が割れてしまったので、ボール盤で穴を開けながらビスをつけていきます。

あれ??ん・・・?

ん・・・?

 はい。雑にやりすぎました。予定ではサイコロになる予定が、四角い謎のオブジェクトになりました。これは普通に調整ミスですね。

もし皆さんもサイコロ上を作る際は、寸法や長さに気をつけましょう。

③デザインを和紙に書く

 次はデザインをしていきます。和紙に鉛筆で下書きをするイメージです。おすすめの方法は映し書きで、綺麗に描くことができます。

 注意する点としては、できる限り骨となる木の部分を意識しつつ作った方がいいということです。後々貼り付けるときに足りない!ってなる可能性があるので注意を。

綺麗にできてちょっと喜んでいた図

④和紙を骨組みに貼っていく

 次は書き込んだ和紙を骨組みに貼っていきます。ここで使うのが、でんぷんのり! 幼稚園とかで使ったことのある黄色いあれです。

普段使いもできますよ!!

 こののりを使って、和紙を骨組みに貼ります。ここでのコツは、切り込みを時折入れること! 切り込みを入れることで角でもうまく貼ることができます。角あんどんというタイプのあんどんだと必須の技術です。

 ちなみに貼り付けを行なった後の画像はがこちら。

4面貼り

 この時点で中に照明を置くだけでも十分なあんどん感。一応形は少し歪ですが、綺麗なので良し! さっそくここから色付けに入ります。

⑤最終工程、ロウと色付け

 最後の仕上げ、色付けに入ります。ですが色をつける前にロウを使い縁取りを行ます。

 ロウは色々な調達方法があります。ワックスを溶かしたり、キャンドルを溶かしたり・・・今回は市販ろうそくを溶かすやり方にします!

暑いので注意!

 ロウは溶けるとまるで水のように透明になります。しっかりと溶かしてから、ロウを和紙に塗っていきます。

綺麗に塗れた

 ただロウの温度が低いと、すぐに固まるためガタガタになります。なので温度は沸騰をしないギリギリのラインで!

とんでもないガタガタ具合

それでは早速色付けに入ります。今回はスポイト式の染料を使うこととします。スポイトなのでブラシは必要なかったですね・・・

左から 橙・緑・青・黄・赤

 和紙に垂らしていくことで色をつけていきます。

鼻血みたいになってしまったの図

 そしてこれをみるとロウを利用した意味もわかると思います。ロウを塗ることで、そこからはみ出なくなるんです!

あんどんの複雑な模様や色合いを表現するのに必須な技術の一つです! 正直これを伝えたくて作った部分もあります。ちなみにロウが少しでも塗れていない部分があると一気にはみ出そうになるので注意です。

やぁみたいな雰囲気を出す岩手県

最終的に完成ものがこちら! 夜高あんどん祭りリスペクトカラーの赤色を多用してみました。

夜高あんどんリスペクトの、赤色利用

 しかしここまで読んでくれた方は思ったと思います。

 「工程が多すぎて大変」

 ということでファブテラスいわての出番です。お待たせしましたTrotec。前半戦終了、後半戦開始です。お時間あるときに以下をどうぞ。

レーザーカッターを利用したあんどん作成

 レーザーカッターを利用することで、比較的簡単に作成することができます。大体半分くらいの作業量で作れます。

材料については少し変えました。

・ベニヤ板(今回は厚さ2.5mm) x 2

・600mm x 6mm x 6mm 木材1つ

・木工用ボンド

これらを使うことでもっと簡単にあんどんを作ることができます!

①骨組みづくり、枠作り

 今回は骨組みを作ると同時に面を作成します。2面を障子のような形に、もう二つを枠だけの形にしようと思います。骨組みは以前と同じく150mm間隔に切っていきます。

違うポイントとしては量です! 4本だけを作るだけでいいため一本から作成できます。ただ耐久力は落ちます。

 同時にそれぞれの面を作成していきます。以下のようにデータを設計、加工をしていきます。

左が障子、右は枠内にイラストを書き込めるように

パワーやスピードは調整必須 !

②デザイン、そして組み立て

 前回の作成は骨同士をビスで組み立てました。ただ今回はボンドを使って和紙に貼ることで組み立てます。

そのため先にデザインを行なってからつけます。 あ、でも障子部分はそのまま紙をくっつけちゃいます。障子なので。

結構見た目はいい感じ
そして紙部分に骨となる木をボンドで接着。時間をかけてしっかりと
 木の部分に相互的にくっつけていく・・・

③残りはロウ塗りと色付け

 残りは前作と同じでささっといきます。

すでに映え
塗り塗り・・・

④完成

 そして完成。ちょっといい感じかも

ちょっと垂れた。ミスってしまった。

完走した感想

 はい。疲れました。まさかここまで作るのが大変だとは・・・

一応本来のあんどんだと竹と針金で基本を作ります。いや職人芸すぎてついていけないですね。

最後に並べてみましょう。

二つ並べた図
ミニ夜高あんどん点灯(スマホライト)
お気に入りの面

 これをみてあんどんを作りたいかも!と思った方! 大変ですけどお勧めです! ファブテラスを活用して是非是非いろんなものを作ってみてください!

 長い間ではありますが、ご覧いただきありがとうございました!!!!

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